思い出を書く。
2023年の10月8日、キリンジの「KIRINJI 弾き語り ~ひとりで伺います」へ行った。
結論から言うとめちゃくちゃに良かった。ありがとう、キリンジ。
会場は島根県松江市の興雲閣で明治36年に工芸品陳列所として利用されていたらしい。当時は最先端な建物だったんだろうか、雨どいさえ綺麗な流線型の凝った造形になっていた。
以前松江に5年くらい住んでいたけど、松江城の堀の中まで来たのは初めて来た。当日はお祭り?もしているみたいで、子供たちが作った灯篭が並べられていたり、遠くからブラスバンドの音楽が響いていたりした。
島根県に来てくれたのが本当に嬉しい。田舎すぎてライブが全然こなくて寂しく思う。
普段全く化粧とかオシャレとしないのに、この日のためにめちゃくちゃに用意する。キリンジを見に行くからというより、キリンジを聴く人ってオシャレでないといけないのでは、という謎の思いが出てくる。そんなこたないのにね。
始まる前は最近の曲を中心にやるのかとか、アコースティック調でゆったりしたバージョンなのかとか想像していた。
が、良い方の期待外れで、かなりガッツリ歌っておられて。めっちゃええやん!ありがとうな〜!ほんま!と興奮して心の中のアンミカが出てきた。
初めの「ムラサキサンセット」、めっちゃええやん!この頃の曲もやるんか最高やん!
「ナイーブな人々」を聞いて涙していた頃もあったのを思い出した。寄り添ってくれて背中を推してくれる感じががめっちゃええんよ!
「ネンネコ」と、「黄金の舟」も!ああ〜!まぶしがりやまで!ありがとうな〜!ほんま!
「薄明」はフランス語の歌詞も歌うんか!ええなあ〜、ほんま!
アンコールの「絶交」から「進水式」のながれはほんとうに良かった。絶交が聞けるとは思わなかった。ハマっていた時にめちゃめちゃ聞いていた。印象的なイントロなのですぐにわかってニヤァっとしてしまった。
MCでは「小泉八雲の怪談とか、ゲゲゲの鬼太郎の妖怪とか、実在しないふわっとしているものを(観光として)推してていいですね〜」とディスのような褒め。確かにそうだなと思って面白かった。
ライブ終わりに外に出ると灯篭に灯りが灯されていて、会場の興雲閣もライトアップされている。階段を降りていくとお堀の水面に松江の夜景がキラキラしていい余韻に浸る。
物販でCDを買うとサインをもらえるのを、ガチファンではないわたくしめのようなものがサインをもらうのはなんだかおこがましいかもしれない。もらったサインを大切にできないかもしれない。という謎の不安と変な自意識からCDを買わなかった。
帰ってきてから数日たって、Youtubeとかで海外でのフェスの映像とかインタビューを色々見てライブを思い出しては反芻している。
CD買っておけば、サインもらっておけば、と日に日に後悔が濃くなってきている。
今回夫と一緒に行った。夫はキリンジのことは私が聴いてるから、受動的に流れているから聴いている感じかと思っていた。
でもライブのチケットを取ったあたりから毎日キリンジを聞いたり見たりして、「予習しておかないと」とか言っていて一緒に楽しんでくれて嬉しかった。
帰ってきてからも夫ひとりで曲を聞いたりYoutubeを見返したり、最近はナントカっていう番組に出るよって教えてくれて、その時間までにお風呂入ってくるとか言って私より楽しみにしているのでキリンジファンを増やせて良かった。